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トップページ > 活動史(21世紀) > 喜劇映画研究会 2006年 銀幕ランドスケープ
喜劇映画研究会 2006年

シネマアートン下北沢 喜劇映画研究会 結成30周年記念イベント
「銀幕ランドスケープ」第六夜~七夜

第六夜  9月7日(木)

おおたか静流 (ヴォーカル)vs. 鬼怒無月(ギター)

律動と音霊が支配する空間に甦った20世紀初期の記憶装置!
  前時代のイコンを発掘する呪術ギターと言霊のパノラマ的展望!

上映作品
「魔術師」Le magician 1898年(フランス)
  ※アメリカ政府資料館より
「月世界旅行」Le voyage dans la lune 1902年(フランス) 
  ※ロンドン映画博物館より
「音楽狂」Le mélomane 1903年(フランス) 
  ※ニューヨーク近代美術館より
  以上、監督・主演:ジョルジュ・メリエス
「犬とパイプ」Le chien et la pipe 1902年(フランス)
「磁石警察」Police magnetique 1902年(フランス)
  以上、製作:シャルル・パテ、監督:ジョルジュ・アト 
「スポーツマンたち」Les déportistes 1905年(フランス)
「カリーノの洗礼」Le baptême de Calino 1908年(フランス)
  以上、製作:シャルル・パテ、監督:ジャン・デュラン
「リトル・モーリッツと新妻ロザリー」
      Little Moritz énleve Rosalie 1908年(フランス)

  監督:ロメオ・ボゼッティ、
  出演:モーリッツ・シュワルツ、サラ・デュアメル
「奇怪な泥棒」原題不明1909年(フランス) 
  ※MGフィルム資料館より
  製作:シャルル・パテ、原作:H・G・ウェルズ、
  監督:フェルディナン・ゼッカ
「リトル・ティッチとデカ靴」
       Little Tich & his big boots 1904年(イギリス)

  ※アメリカ政府資料館より
  監督・主演:ハロルド・レルフ
「ソレって自動車?運転手?」
            The (?) motorist 1906年(イギリス)

  ※ロンドン映画博物館より
  製作:ロバート・ウィリアム・ポール、
  監督:ウォルター・R・ブース
「ボクサー・ロビネ」
       Robinet boxeur 1913年(イタリア/フランス)

  ※フリウリ映画博物館より
  監督・主演:マルチェロ・ファブレ(マルセル・ファーブル)
「ポリドールvs.日本人」
        Polidor e il giapponese 1918年(イタリア)

  ※ローマ映画博物館より
  監督・主演:フェルディナン・ギョーム
       (フェルディナンド・ギラウメ)
「つらあて」A busy day  1914年(アメリカ)
  製作:マック・セネット、
  監督・主演:チャーリー・チャップリン
 
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▲おおたか静流女史

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▲鬼怒無月氏


当会のイベント初登場(無声映画の伴奏も初体験)の佐藤氏と喜多氏。どんな展開になるのか?スタッフもワクワクである。しかし当日、佐藤氏は頸筋から背筋までを痛めてサロンパスだらけで演奏を行うこととなってしまった。喜多氏は霊が憑依したと騒ぐのだが、除霊ができる人材もいないため、スタッフはせめてサロンパスが除霊に優りますようにとそっと祈祷する。喜多氏もお神酒(?)を浴びるように飲んでいた・・・迎い酒というウワサも・・・。

やがて開幕、出演者二人はお客さまと一緒に3分のオープニング映像を鑑賞というパフォーマンス(?)からスタート。この3分間、喜多氏は何故か客席に座ってくつろぎ、佐藤氏はステージの端で立ち尽くす。見てる観客は演奏の開始を心待ちにしていたのだが、3分間演奏は無く、両者は感想を述べるのみだった。演奏者が音の無い世界をアピールしてからスタートというのも粋な試みと思わせつつ、次の作品から喜多氏主導で徐々に映像へ音を刻み込む。喜多氏の破壊力の漲る鋭いリズムに佐藤氏の重厚ながらも快調なアコーディオンのメロディが世界観を広げ観客を魅了。瞬発力にかけては流石である。

また、幕間のお二方による映画トークが会場を沸かせた。喜多氏は俳優の経験があることを佐藤氏に暴露されて、事あるごとに「俳優もやっているヴァイオリニスト喜多直毅です」と紹介され、恥ずかしがる様子も反復漫才のように客席を湧かしていた。やがて時間は駆け足となり、あっという間にラストの「リバティ」となった。願わくばもう少し演奏も聴きたかったような。

第七夜  9月8日(金)

谷川賢作(キーボード) vs. HISASHI(ヴォーカル)

アヴァンギャルドで暴力的なドタバタ劇に虹色ヴォイスが炸裂!

上映作品
「キートンの船長さん」2005年再編集作品/
          Steamboat Bill, Jr. 1928年(アメリカ)

  製作:ジョゼフ・M・スケンク、
  監督:チャールズ・F・チャック・ライズナー
  作曲:篠原正雄、作詞:高井良一、編曲:谷川賢作
「コニー・アイランド」
         Fatty at Coney Island 1917年 (アメリカ)

  監督・主演:ロスコー・アーバックル、
  共演:アル・セント・ジョン、バスター・キートン
「最狂自動車レース」The lizzies of the field 1924年 (アメリカ)
  製作・監修:マック・セネット、出演:ビリー・ビーバン

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▲谷川賢作氏

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▲HISASHI氏
(写真にポインタをあててね!)


一週間続いた当イベントも今夜で最後となる。

最終日を飾るのは当会のウラ番長・谷川賢作氏と、当会イベント5年ぶりの参加となったHISASHI氏。

オープニングでは谷川氏が恒例イベント「夢の森にて」テーマを独奏しながらの入場。同じオープニングを使用して出演者により異なる演出という展開も今回のイベントの見所であり、この日はその千秋楽を飾る演奏。そして谷川氏の十八番となった「キートンの船長さん」でHISASHI氏がステージへ登場、"歩くオブジェ"を自認するカッコイイ容姿が美声を轟かせて瞬時に場内を魅了。以前にHISASHI氏が参加された時には弁士パートも担当して頂いたのだが、今回は歌声をいっぱい披露して頂きたいという想いからこの日はすべて字幕作品を上映した。「コニー・アイランド」では惜しむことなく広音域の歌声を響かせる。

そしてラストでHISASHI氏の歌うメローなオリジナル曲が「最狂自動車レース」の破壊的なドタバタのエンディングを美しく彩った。画面の中は大破した自動車、ボロボロになったレーサーなど美的センスを抹殺した退廃芸術的なギャグであるが、HISASHI氏の虹色言霊で美しく感傷的な印象を構築していた!谷川氏も歌いたくてムズムズしていたようだが、今回はピアニストに専念して頂いた。(本人曰く、影でこっそり歌っていたとのこと)

 

夜遅いにもかかわらずご来場して下さったお客様、本当にありがとうございました! 出演者、スタッフの皆様お疲れ様でした!   (レポート・石野たき子)

 

 

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