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喜劇辞典 や行

【ヤラセ】

あたかも事実、または偶然に撮影されたような偽ドキュメンタリーなどを示す。近年では肖像権やプライバシーの都合で、街中の一発芸的ギャグ(いわゆる「どっきりカメラ」)が不特定多数の対象へ行う事が不可能となってきたため、ドッキリ被害者を役者が演じて場を盛り上げる工夫がなされているが、これなどは典型的な「ヤラセ」の演出。喜劇のヤラセは悪夢のごときバーチャルな展開が基本形で、状況設定に現実味が濃い程、リアルな笑いが生み出される。それ故、人気スターや著名人が多数出演した場合は本格的なドラマっぽい展開となってしまう恐れがあり、ヤラセは成り立ち難い。この悪例が昨今の若手漫才師による集団劇のTVバラエティ番組。世間一般に顔の知られていない者(制作スタッフや無名の役者など)が主役を演じる事はヤラセ効果を高める常套手段。尚、この徒花的な演技者そのものを「ヤラセ」と呼ぶ場合もあるが、「仕込み」「サクラ」「トラ(虎の子)」が同義語にあたり、通常のエキストラよりキャラクター性が重要視される。
尚、映画界では"あたかも本当の事象を捉えた"と謳う偽ドキュメンタリー等がモンド映画(Mondo film)と呼ばれ、一応のジャンルとして確立…とはいえ、製作者・配給会社側より「当作品はモンド映画です」みたいな宣伝告知はゼッタイない!? (A)

【ユーモア】(humor:英語)

人間関係における緊張を和らげるのに役立つ、品のあるおかしみ。なぜか日本語には、ひとことで「ユーモア」を表すピッタリの単語が存在しないといわれている。あえて言えば「諧謔」なのだろうが、こんな難解な単語は日常生活で使いたくないというのが一般人の本音だろう。
また、「ユーモア」は「ウィット」と似ているが、理知的な鋭い表現能力を要するウィットよりも、ハートウォーミングなものだと思われている。語源的には古代ギリシャのヒッポクラテス以来の医学説で人間の体内を流れる液体を意味していたという。(F)