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喜劇辞典 ら行

【リアクション芸人】

日本や東南アジアのテレビ番組だけに存在する職種。才能、経験、技量が乏しい場合の、演技上で'句点'に該当する行動しかできないコメディアンや漫才師。そもそも「芸人」とか「演技」という単語を用いる事自体が不適切な、発展途上で厚顔無恥の表現者。ギャグが成立するまでの状況を罵声や転倒などで一瞬にして終焉させる。その多くは、誰もが予想しうる展開でしかないオチをひたすら誇張して消化不良な結末へと導く。例えば、クライマックスでギャグにより状況を完結させるべきところを、中途半端に転がるマネや「なんでや~!?」みたいな叫び声だけでお茶を濁して収束させるのがリアクション芸人の定石的手法。単体では存在感が認められず、リーダー格の指示や言動に対して過剰反応するか、またはゲストにまぎれての準・狂言廻しを演じる事が多い。今日的な常套手段では「逆ギレ」を多用する。1980年代前半のMANZAIブーム凋落の頃から、高座や舞台など未経験の'お笑い予備軍'が、大量消費を繰り返すテレビ業界に対しての自衛策で始めた脇役がその源流と、筆者は見る。尚、近年にコメディと呼ばれるジャンルの一部に、リアクション芸人だけを起用した構成や演出(ディレクションは不在?)のテレビ番組が氾濫する事は、笑いの質を大きく低下させる要因となっている。彼らリアクション芸人は若年層の視聴者から等身大のキャラクターとしての支持もあるが、その演目を本来的な意味で芸能と捉えるならば、彼らの演じる喜劇は「茶番劇」と別ジャンルに規定すべきであろう!?(A)