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トップページ > 活動史(20世紀) > 喜劇映画研究会 1999年 映画-20世紀の証言力
喜劇映画研究会 1999年

映画-20世紀の証言力

 

【日 時】1999年10月1日(金)~3日(日)、9日(土)、10日(日)
【場 所】滋賀県甲賀郡 水口町立碧水ホール
【主 催】水口町教育委員会
【後 援】αSTATION FM KYOTO、NHK大津放送局、
     水口町国際交流協会、他
【企 画】碧水ホール
【協 力】アテネ・フランセ文化センター、アップリンク、
     イスラエル大使館、イメージフォーラム、
     喜劇映画研究会、組画、原將人、ビターズ・エンド、
     他

 キャッチコピーに『映画は忘れない』とあるように、本企画は発見・復刻された旧作や今回の上映のために再構成された新作等を国内外から43本を集め一気に上映するというもので、'映画の訴求力'が漲る作品ばかりが並ぶ好企画となった。

 当会が協力したのはオープニング特別プログラム「復刻されたサイレント映画 ジャズ演奏付き上映会」。演奏は関西圏で活躍中のジャズ・プレイヤー道下克己(フリューゲルホーン、トランペット)、小杉重文(ピアノ)、西垣昌也(ベース)の三氏によって行われた。演奏されたのは、1920年代のドタバタ喜劇のテイストを十全に咀嚼した軽妙かつダイナミックなオリジナル曲で、道下・小杉・西垣トリオの熱演は古典映画(イコン)解釈に対する聖哲の教えとなるであろう!!

碧水ホール企画上映 通算19回目「映画-20世紀の証言力」を終えて

上村秀裕(碧水ホール学芸員)

 ダメモトで『東京物語』と『秋刀魚の味』の2本立てでスタートした碧水ホール企画上映は、いつの間にか9年も続いていました。

 今回は、まあ西暦で言えば1900年代最後の年なので、それにふさわしい内容のプログラムにしたいと思い、単なる映画上映だけでなく、特別プログラムを設けたり、映画チラシ展を併設しました。

 5日間の開催中には、毎度の事ながらいろんな事がありましたが、全てお話しするとたいへんな長文になるので、喜劇映画研究会がらみのこぼれ話を中心に少々‥‥。

 初日の10月1日に行った「復刻されたサイレント映画、ジャズ生演奏付上映」では喜劇映画研究会によって復刻されたサイレント映画を中心にプログラムさせていただきました。演奏は、バンマス道下克己氏のオリジナル曲が披露されました。道下氏には半年前にサンプル・ビデオを渡しておいたところ、かなり厳密に作曲してくれました。また「いかにも」な効果音や感情表現は意識的に避けておられたようですし、映像の魅力を損なわないようにも気を遣っておられました。サイレント・コメディの終盤のテンションの高まりとジャズのノリは相性が良く、予想以上にハマると実感できたライブ上映でした。予定の上映が終わったあと、お客さんからのアンコールがあり、プレイヤー達は汗だくながらも、颯爽と気持ちよく演奏してくれました。第4日目の10月9日に、当町水口の発見した映画を上映しましたが、その中に『弥次喜多水口珍道中』というサイレント映画があります。道下さんに音楽を付けてもらおうか、などというアイデアが、ささやかな打ち上げの中で出て来ました。

 あと、やっぱり第2日目の10月2日、原將人監督最新作『豊饒のバッハ』ライブ上映。だって、開場してお客さんが客席に座っているのに、ほんとうに本番ギリギリまで監督は編集してるんですよ。もう、この緊張感はたまりませんでした。結局全三章の内、第二章以降の8ミリフィルムの部分が未完成のままでの上映となりましたが、原監督お得意のマルチスクリーン上映(複数の映像を同時に上映する)初見の方は、不思議な体験であったことと思います。原監督によるとこの日の模様は『豊饒のバッハ』バージョン・アップ版に挿入するかもしれないとのことでした。本番中にビデオカメラが2台回してあったのです。なお、『豊饒のバッハ』関連資料として、シナリオやロケの様子を伝える写真、原監督が持っている8ミリカメラ、大島渚監督やオノ・ヨーコ氏などから原監督の元に届いていた手紙を展示しました(オノ・ヨーコ氏のテキストは代筆でした)。

 全上映日程終了後の交流会は、映画チラシ展の展示品を提供して下さった蓮見昌實氏のゲストトークを皮切りに、アルコール無しの打ち上げ感覚で、語る交流会になりました。そうそう、喜劇映画研究会の新野さんから郵便で届いた映画のチラシも、飛び入りで、ちゃんと紹介させていただきました。新野さんが送って下さったのは、アントニオ猪木のドキュメンタリー映画のチラシですが、これは受けましたね。最後の最後までお気遣い下さった喜劇映画研究会の方々に厚くお礼申し上げます。


出演者
michishita
道下克己
(フリューゲルホーン、
トランペット)
kosugi
小杉重文(ピアノ)
nishigaki
西昌也(ベース)

 

 

 

 



上映作品

  • 『デブ君の女装』"The butcher boy"1917年/アメリカ/監督・主演:ロスコー・アーバックル
  • 『無理矢理ロッキー破り』"Play safe"1927年/アメリカ/主演:モンティ・バンクス
  • 『エルサレムの家』"House of Jerusalem"1998/イスラエル/アモス・ギタイ監督作品
  • 『豊饒のバッハ』1999/日本/原將人監督作品(監督自身によるライブ演奏付き4面マルチ上映)

   他