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喜劇映画研究会 2005年

夢の森にて2005~生演奏&パフォーマンス付き上映会

yume2005

【日時】2005年1月15日(土)
    Aプログラム:15時00分~
    Bプログラム:18時~

【場所】アテネ・フランセ4階ホール

【主催】アテネ・フランセ文化センター
    喜劇映画研究会

 


天才は死なない ―――― サルヴァドール・ダリ


13年目13回目の開催となる『夢の森にて2005~生演奏&パフォーマンス付き上映会』。会場のアテネ・フランセでは年明けの恒例行事として定着しているが、今回は一段とスケール・アップして関係者をも大いに驚かせる企画となった。初の試みとなるダブル弁士の起用、ウルトラ級のミュージシャン軍団による幕間ライヴ・バトル等、前代未聞の贅沢なイベントとなった。

本番当日は極寒と雨のため、前売り券をお買い求めになっても来られなかったお客様、入場されてからも体調不良で開演前に帰られるお客様が多く、スタッフは場内の空気に一抹の不安を感じるが、いざ開演となるや大賑わい!一同胸を撫で下ろした。

Aプログラムはアルティメット歌姫・おおたか静流女史の澄み渡る『ふるさと』の熱唱がオープニングを飾り、石川浩司氏の静かなナレーションで『臨時雇いの娘』が始まった。余談であるが、この作品は当会が修復した完全版だが、コメディというよりはメロドラマ的要素の強い長編で、伝説のコメディエンヌ(メーベル・ノーマンド)主演作品という事からも女性弁士によるアレンジを検討していたために、フィルムが復刻された後も関東圏では一度も上映していなかった。今回はおおたか女史、石川氏の個性的な活弁を核に物語は進み、ここにメロディを巧妙に織り交ぜ、要所に高木潤一氏の必殺フラメンコ・ギターが緊張感を高める演出で一気にクライマックスへ。映画がゆったりと終了するやいなや開場は拍手の渦、出演ミュージシャン退場時には拍手が手拍子へと変わるという観客の歓迎振りに感涙。

休憩をはさんでBプログラムが開演、当初Aプロのみの参加となっていたおおたか女史が飛び入り参加という嬉しい誤算で期待はますます膨らむ。まずは『ホテルマン』。チェロの三木黄太氏がセッション・リーダーで、この映画のみ弁士無し。演奏は三木氏に加え、太田惠資氏、高良久美子女史、谷川賢作氏のクァルテットで始まった。美しく重く数学的に構築された曲とハチャメチャなドタバタ喜劇の融和に観客は不可思議な感覚へと導かれてゆく・・・。

そして次の上映作品との幕間に太田氏と高木氏とのデュオが炸裂。両者エンジン全開の演奏に場内からは溜息が・・・湧き上がる拍手の後に『夢の犬にて』という、当イベントのために実験映画の代表作『アンダルシアの犬』を石川氏が改良(?)したキョーレツなセッションが始まる。この上演内容は事前の打ち合わせは全く行われず、完全インプロで進行。石川氏の創作ヴォイス・パフォーマンスにおおたか女史のミステリー・ヴォイスが花を添え、参加アーティストが音楽的アプローチを行うという構成。全てが石川氏のプロデュースによるものであって、この『夢の犬にて』はスタッフも進行が読めないスリリングなものであった。しかし、石川氏は軽々と企画者の予想を遥かに越えた表現を編み出し、映像の断片の集積である(ダリ曰く、情報の断片が集まった新聞の見出し的映像の羅列)『アンダルシアの犬』を見事にストーリー化してしまった。

次の上映作品との幕間には石川氏による『夢の犬にて』の製作秘話(?)、当会代表・新野敏也によるネタばらし(実はフィルムが今朝まで到着していなかった!など・・・)、間髪入れずに三木氏と高良女史のデュオで三木作詞・作曲の『めかぶのうた』が始まり、これまた不思議な歌詞に場内は笑いと興奮が溢れた。そしてトリとなる作品『整形夫婦』がスタート。映像と完全一体化した石川氏の弁士と高良女史が仕組んだ巧妙なリズムが観客を魅了した。さらにオマケ?のエンディング曲として石川氏の歌が最後に披露されたが、参加アーティスト、さらには当会代表の新野までも全員がコーラスに廻り歌わされるというパフォーマンス(バンド「たま」時代に石川氏が作詞・作曲した『どっこいしょ』という曲)で場内のボルテージは最高潮、最初から最後まで盛り沢山の内容となった。

無事終了して今回までの『夢の森にて』を振り返ると、毎回、暗中模索という感じだったイベント演出に少し光が見えたような気がした。こんなに素晴らしいアーティスト達に参画してもらえるのは本当に幸せと言うしかないだろう。確かに準備は泣くほど大変ではあるが・・・。偉大なる映画の先駆者たちがくれた夢に、挑戦してくれた未来へ向かうアーティスト達、走り回ってくれたスタッフ、寒い中を来場してくれたお客さん、総じて実現したこの夢の森は今回の感動を糧に益々ディープに拡張していくことだろう。さて次回は14年目14回目、当会結成30周年にあたる。どんな展開になるものやら・・・?(石野たき子)


今回は'イベント会場の第7艦隊'と呼ばれる最強スタッフで会場準備が2時間で完了!信じられない早さにまず感激、完全無欠のチームワークによるスムーズな進行にビックリ、そしてイベントの完成度に仰天!と私は三回驚いた。Aプロのノーブルな展開、Bプロのヴァリエーションに富んだ内容、ご覧になった方のアンケートでも最大級の賛辞が過去最多なのは嬉しい事です。

終演後に'イベント会場の第7艦隊'は打ち上げを行ってスゴイ盛り上がりとなったらしいが、私と音響チームだけはそんな状況を知らずに雨の中を機材返却でテンテコ舞い、翌朝に宴会の事を聞いて四度目の驚き、というかショックを受けた次第・・・。
雨と会場周辺の道路工事で車輌チームが今回は最も過酷だったようで、本当にご苦労様でした!場内のスタッフの皆様、ご来場された方々、ありがとうございました。(新野敏也)


出演者

谷川賢作とSonorizzano

出演者プロフィールはコチラ

 tanikawa ishikawa

谷川賢作          石川浩司
  (ピアノ/キーボード/ピアニカ)     (弁士)        

ota ohtaka

太田惠資            おおたか静流
 (ヴァイオリン)           (弁士)   

takagi takara

 高木潤一            高良久美子
      (ギター)      (ドラムス/マリンバ/ビブラフォン)

miki

三木黄太(チェロ)

音響
岡部潔

映写
原田徹
新堀智行

ビデオ送出/記録
武田充弘

スチル撮影
日高仁

チラシ制作
   石野たき子(イラスト)    
  浅野優子(題字)  
大谷美香子(デザイン)


制作
新倉満江
山貫理恵


車輌
  名和久  
 吉田信一郎 

弁士台本・パンフレット解説
  新野敏也  

協力
  アートファニチャーギャラリー  
木内信哉
岸勝成
TAM office

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上映作品

 Aプログラム
 メーベル・ノーマンド主演「臨時雇いの娘/復刻版」1923年
 日本未公開

 Bプログラム
 ラリー・シモン主演 「ホテルマン」 1921年
「夢の犬にて」 ????年
 レオ・マッケリー監督 「整形夫婦」 1926年 日本未公開

 

上映作品解説 リハーサル風景 夢森2005Web告知  

yume2005_all
出演者&スタッフの記念写真 お疲れ様でした!