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トップページ > 活動史(21世紀) > 喜劇映画研究会 2005年 谷川賢作 vs.バスター・キートン
喜劇映画研究会 2005年

ボーダーレス・コンサートシリーズVol.1
家族の肖像 ~詩と音楽と映像のコラボレーション~

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【日時】2005年8月12日(金)
    19:00~
    第一部「時空を超えて」
      (夢の森にてアルティメット)
    20:00~
    第二部 組曲「家族の肖像」 
【場所】オーバード・ホール
【主催】財団法人 富山市民文化事業団、
    富山市
【共催】北日本新聞社、北日本放送、
    FMとやま
【後援】富山県教育委員会、
    富山市教育委員会
【助成】財団法人 地域創造
【協力】喜劇映画研究会、
    サイレント/ポリスターレコード
【制作協力】(有)TAM office、スリー・ディー(株)
【舞台演出・進行】(有)アイズ・コンプレックス
【楽器協力】宮本卯之助商店
【出演】谷川俊太郎(弁士/朗読)
    蜂飼 耳(弁士/朗読)
    谷川賢作(ピアノ/弁士/作曲/音楽監督)
    仙波清彦(ドラム/パ-カッション/小鼓/作曲)
    吉岡アカリ(フルート)
    庄司知史(オーボエ/イングリッシュホルン)
    草刈麻紀(クラリネット)
    大澤昌生(ファゴット)
    望月正浩(太鼓)
    山田貴之(〆太鼓)
    福原徹彦(笛)
【ビデオ撮影】角田晃二

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関東中心で行われている2大イベント「夢の森にて~生演奏&パフォーマンス付き上映会」と「家族の肖像 ~現代詩と音楽のコラボレーション」を合体させた夢のような企画。富山県最大、公立ホールとしても日本屈指の大劇場にて上演と相成った。

当会は上映作品提供、作品のコーディネート、弁士脚本の参画を行った。

特筆すべきは、世界的な大詩人・谷川俊太郎氏が人生初の弁士に挑戦という事であろう!

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第一部は、大劇場を埋め尽くした観客の前に仙波清彦氏が颯爽と登場、ドラム・ソロの超絶プレイで早くも場内を仙波色で染め上げる!続いてタキシード姿の谷川賢作氏が道化師風に飄々と登場 !? 当会イベントでは恒例の「夢の森にて」テーマ曲がピアノ&ドラムのデュオ演奏で始まるや、大正ロマンを思わせる活弁士の出で立ちで谷川俊太郎氏が登場!予想外の展開から会場の空気は一瞬にして変わり、演奏が聴こえない程の拍手となった!

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上演最初はチャップリンの「ベニスにおけるベビーカー競争」、今回は製作当時のフィルム回転数と同じ秒速16コマにて上映が行われた。本作には東京フィルハーモニー交響楽団や欧州の著名オーケストラで主席奏者を務める吉岡アカリ氏、庄司知史氏、草刈麻紀女史、大澤昌生氏の木管クァルテットと賢作氏のピアノによるチャップリンへのオマージュ曲!ナンと俊太郎氏も本公演のために書き上げたチャップリンへの詩を朗読!

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続く上演二作品目、チャップリンの「つらあて」は仙波氏の発案とリードにより、望月正浩氏、山田貴之氏、福原徹彦氏という邦楽界の巨星が参加。能楽伴奏が異種格闘技戦のような緊迫感と絶妙なタイミングを生み出し、音楽的な笑いが場内を包み込んだ。終演後、太鼓の望月氏のコメントは「もともと能や狂言では演技のお囃子なので、映画伴奏と考え方は基本的に一緒でしょう」との事。ナルホド!

そして女流詩人・蜂飼 耳さんを迎え、俊太郎氏、賢作氏のトリプル弁士によるキートンの「隣同志」の上演、こりゃレポートして良いものやら?の俊太郎氏を罵倒するような台本ネタで観客までノックアウトされてしまった・・・。上演前の舞台で俊太郎氏は「本当にもう、稚拙な台本でマジメにやる気がなくなったヨ」と賢作氏を叱責していたが、いざ本番が始まるやアドリブまで交えてのノリノリ好演!蜂飼女史とアツアツ?なデュエットで賢作氏の大暴走を覆面パトカーのごとく喰い止めた !? 

第二部は、俊太郎氏の詩を作者自身と蜂飼女史が朗読、原風景が見えてくるような流麗な演奏とのコラボレーションで場内はウットリ・・・。
俊太郎氏と蜂飼女史の「他人の詩を読む事での難しさや抵抗感は?」というトークでは、若き日の俊太郎氏が「中原中也の七五調リズムがなじめなかった」、現在は「歳をとったら妙に心地よくカラダに入る」といった貴重な発言も飛び出した!第一部・第二部と対極を成す内容のイベントは万雷の拍手で幕引きとなった。

  
上映作品
  ローレル&ハーディ傑作ギャグ集(2005年再編集)
  ベニスにおけるベビーカー競争(1914)※秒速16コマ再生
  つらあて(1914)※秒速16コマ再生
  隣同士(1920) ※秒速24コマ再生


  当日のパンフに当会代表の新野が今回のイベントの紹介をしております。
  ご興味のある方はご笑覧下さい。こちらです。 

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エンディングのリハーサル風景

  
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角田晃二さん(撮影)

何とオーストリアからはるばる観客として来場…
本業でウィーン・フィルなどのビデオ撮影を手掛けている事から、いつの間やら当会のビデオ記録の担当者と間違えられてしまった!ありがとう!そしてゴメン!

 

 

▼ 当イベントの紹介文 ▼

無声映画"喜劇"の世界へようこそ!

喜劇映画研究会 代表 新野敏也

 遠い昔、私も含めて今日お集り頂いた皆さんが生まれるずっと前の時代、映画には音がありませんでした。

 それは今のビデオみたいな画と音を同時に記録・再生する技術が開発されていなかったからで、映画は19世紀末に発明されてから約30年間が視覚だけで表現する無声(サイレント)の芸能となっておりました。

 そんな大昔から存在する唯一のジャンルが喜劇です。ホラーとかポルノとかSF映画も昔からありましたが、喜劇だけは映画発明と同時にスクリーンへ映し出された演出法です。そしてこの喜劇から、今日的な漫画やアクション・ドラマの要素が派生したと言っても過言ではありません。

 喜劇が世界中で一大ブームとなって全映画会社が競って作品を発表していた頃、多くのコメディアンがスクリーンに登場しました。彼らの中でも特別なスーパースターが、今回ご紹介のチャップリン、キートン、ローレル&ハーディとなります。彼らが登場するまでの経緯や映画技術の発達については省略させて頂き、今回のイベントの見どころをチョッピリお話し致します。

 音のない映画、チャップリン達が大活躍していた頃の劇場には、BGMや効果音のために専任のミュージシャンがおりました。また、現代のようにパソコンなんかで情報検索などが簡単にできない時代では、外国の言葉や文化を説明するために弁士という専門職もありました。

 今回はそんな遠い昔の映画館での伴奏と弁士上演を再現するにとどまらず、現代の新しい解釈で古典的傑作を蘇らせたく思います。

 最近の映画とは違う展開が五感でお楽しみ頂けます!!ジックリ、ユッタリ笑って下さい。