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宝物殿 No.6 to No.15



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6. ロスコー・アーバックルからミンタ・ダーフィへの手紙(複写)

7. チャーリー・チャップリンの服の端切れ

8. マック・セネットのアカデミー会員証

9. 児玉数夫・著「活動狂時代」直筆サイン入り

10. 児玉数夫・著「無声喜劇映画史」直筆サイン入り

11. 中原弓彦・著「喜劇の王様たち」

12. Gene Fowler・著「FATHER GOOSE」直筆サイン入り

13. 「LIFE 国際版1949年9月26日号」

14. 「キートンの船長さん」楽譜

15. 「喜劇の黄金時代」日本版パンフレット



6. ロスコー・アーバックルの手紙(複写)(約26cm×20cm)

sennett_contractロスコー・アーバックルは、かのバスター・キートンの映画の師であり、今日でいうところの無声映画時代の三大喜劇王チャップリン、ロイド、キートンをも助演とした伝説のスーパースター。「ファッティ」や「デブ君」と呼ばれ世界中で人気を博し、往時には所属するパラマウント社で興行収入第1位を記録、世界で最もギャラの高いスターとなっていたが、1921年に強姦殺人の嫌疑がかけられ、母国アメリカでは排斥運動が沸き起こり、カムバックもむなしく失意のうちに世を去った。本品は、その殺人事件の公判中、1924年9月22日に妻のミンタ・ダーフィへ宛てた手紙(イギリスのコレクターよりコピーして頂いたもの)。世間を敵に回してまでも献身的にアーバックルを援護するミンタ(当時は人気女優)への気遣いが綴られている。因みに事件はアーバックル本人が亡くなってから約50年を経て、1985年7月23日にサンフランシスコ最高裁判所が完全無罪の判決を下した。


7. チャーリー・チャップリンの服の端切れ(約7.5cm×10cm/外装デジパック)

mabel_photo2009年よりハリウッドを中心に出回ったシリアル・ナンバー入りのスーツ生地。一応はホンモノという事で、当会もシャレで購入。同シリーズにはハンフリー・ボガートやキャロル・ロンバート等、往年のハリウッド・スーパースターがラインナップされていた。劇中の衣装ではなく、本人が所有していた服の一部といったところだろうか。


8. マック・セネットのアカデミー会員証(約8.5cm×5.5cm)

lloyd_photo「喜劇映画の父」「帝王」と呼ばれたマック・セネットながらもその活躍期は1900年代~ト-キー初期の約30年間で、アカデミー賞は1932年に作品賞を2つ獲得しているが、セネット本人は無冠であった。そのため、1937年に映画界への多大な貢献度から特別功労賞のようなかたちでオスカー像が贈られた。本品はその後の1959年に映画芸術科学アカデミー (AMPAS=アカデミー賞の運営組織)がセネットを終身会員と認定した際のもの。紙製で現代のクレジット・カードに較べやや大きく、オスカー像のイラスト部分のみ金粉を混ぜた箔押しとなっている。この会員証が発給された翌年にセネットは逝去、生涯独身で最晩年は養老院暮らしのため、多くの人手を経て当会の所蔵となった。これが今日まで残っていた事は奇跡といえよう。


9. 児玉数夫・著「活動狂時代」直筆サイン入り(約17.5cm×11cm)

chapline_photo映画評論家の重鎮、膨大な情報量を誇る児玉数夫先生が貴重な体験談と映画論を綴り、装丁までも手掛けた幻の1冊。表紙の見開き部分にサイン入り。児玉先生より直接伺った話によれば1967年8月30日に三一書房から刊行の第1刷(千部)だけが市場に出て、増刷はされなかったとの事。東京は神保町の映画・演劇専門古書店Yではある時期3万円の売り値がつけられていた。明治~大正の劇場や興行の様子、昭和初期~戦中の上映事情を知るうえでは超A級の資料。


10. 児玉数夫・著「無声喜劇映画史」直筆サイン入り(約21.5cm×16.5cm)

dan_photo1972年に東京書房社より千部限定で刊行された函入りの豪華本。現在では幻の書籍として中古市場にてかなりの高値。大正から昭和初期の邦題や公開日が詳細に綴られている。当会代表の新野敏也が児玉数夫先生のご自宅へ初めて招かれた際にサインを入れて頂いたもの。



11. 中原弓彦・著「喜劇の王様たち」(約19cm×13.5cm)

sennett_contract作家の小林信彦先生が書き下ろした初の著書。1963年に中原弓彦名義でコメディアンへの愛情と論評を綴った熱筆エッセイながらも出版元の校倉書房には在庫が溢れ、印税の代わりに現物支給となったとの伝説がある。流通数が少ない稀少本にして、戦後初の海外コメディを本格的に解説した文献という事から当会のお宝となっている。後に本文が補筆改訂され「笑殺の美学」(大光社1971年)、そして「世界の喜劇人」(晶文社1973年)が刊行された。

 


12. Gene Fowler・著「FATHER GOOSE」直筆サイン入り(約15.5cm×22cm)

mabel_photo1934年にアメリカで出版された喜劇の帝王マック・セネットの半生記。初版、著者サイン入り。布貼りハードカバーの表紙にタイトルを金の箔押し、各ページを購入者が自身で開封する仕様(袋綴じ)の古典的な製本。刊行当時はセネットが現役のため、フレッド・メイス、ロスコー・アーバックル、メーベル・ノーマンドなど、先に世を去ったキーストン撮影所の仲間たちについてセネットからの熱い伝聞が綴られている。


13. 「LIFE 国際版1949年9月26日号」(約35.5cm×26.5cm)

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第二次世界大戦後の、アメリカが最も強大で豊かな国家を謳歌していた時、映画人からも忘れ去られていた無声映画時代のコメディアンを神格化し、今日の再評価と再発掘へと導いたジェイムズ・エイジーの伝説的エッセイ"COMEDY'S GREATEST ERA"が掲載された雑誌。エイジーは当時最も発言力の強い映画批評家で、この文章によりマック・セネットやバスター・キートンをはじめ往年の珍優・奇優がテレビ黎明期に息を吹き返し、後の劇場リバイバルや各種映画祭の回顧上映に発展した。


14. 「キートンの船長さん」楽譜(約30cm×22.5cm)

chapline_photo浅草オペラ、松竹キネマ楽団の作曲者・指揮者の篠原正雄氏が昭和三年(1928年)に輸入された映画「キートン船長」の上映伴奏用に書き下ろしたもの。歌とピアノと三味線用の譜面で、作詞は高井良一氏。名古屋の佐藤商會出版部発行、定価30銭となっている。佐藤商會は1911年から続く現在も営業中の老舗楽器店で、おそらく当時の劇場専属楽士や弁士(いずれも警視庁が風俗営業法に則って許可証を発行していた専門職)へ販売していたものと思われる。表紙は昭和初期の高級な紙質とオフセット印刷の仕上がり具合からリトグラフのごとく美麗。その時代を知る映画評論家の児玉数夫先生によれば、当時は弁士が歌も担当していたが「こんなもの見るのは初めてで驚いた」との事。戦前の興行の仕組みや大衆芸能の歴史を知るうえでは貴重な資料といえる。


15. 「喜劇の黄金時代」日本版パンフレット(約18cm×25.5cm)

dan_photo1959年にルネ・クレール監督が敬愛する無声映画時代のコメディ作品を集め再構成し、自らがナレーションを務めた喜劇映画のベスト・アンソロジー"La grand époque"の日本公開時の劇場パンフレット。東和(現在の東宝東和)が1960年に発行。現在一般的なサイズより小さなB5判で、薄い紙質、ステープラの留めがない。無声映画期から近代まで名作を世に送り出したクレール監督の情熱が、この日本版パンフレットにも溢れている。




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